月心寺

げっしんじ

更新日
2016/07/07

    京阪電鉄京津線の大谷駅から西へ歩いてすぐのところにある寺院。歌川広重(うたがわひろしげ)が描いた東海道五十三次にある大津の錦絵には、溢れ出る走井(はしりい)の水のそばの茶店で旅人が休息している姿が見られますが、この茶店が現在の月心寺といわれている。日本の名水として広く知られたこの走井の水は、多くの詩歌や文学作品に登場し、古くから有名でした。茶店のあと住む人もなく荒廃していたのを、大正時代の初めに日本画家の橋本関雪(はしもとかんせつ)が朽ちるのを惜しんで自分の別邸にし、その後月心寺となったのです。
     月心寺と書かれた風雅な軒行灯(のきあんどん)のある門をくぐると、今も名水がこんこんと湧き出ており、奥には情緒深い名庭が静かに広がります。庭の一角には、小野小町(おののこまち)百歳像を安置した百歳堂(ひゃくさいどう)や松尾芭蕉の「大津絵の筆のはじめは何仏」という句碑も立っています。

    【月心寺庭園】
     走井の名水を持つことで著名な月心寺の庭園。江戸時代中期の『築山庭造伝』にも、「追分走井の庭園、景の中にくわしく意をふくみたるすがた」と紹介されている名庭です。つまり、庭の中に作った人の思想が表れているということで、水を十分に生かした趣のある池泉回遊式庭園です。山の斜面を見事に利用し、中央に池を掘って味わいのある石橋が架かっています。池のほとりには、庭園の雰囲気とよく合う石塔が立ち、趣の深い景色を作り出しています。

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    月心寺

    TEL
    077-524-3421